ろう者の歴史
『ろう者』についての講義依頼があるたびに『ろう者の歴史』も少し入れているが、驚かれることが多い。
興味がある方は、別途Eラーニングでも紹介しているので、お問い合わせくださいませ。
聴覚障害区分は、厚生労働省基準の伝音性・感音性・混合性の3種別とプラスに、突発性・老人性がある。
聴力レベルの『dB(デシベル)』の軽度・中度・重度の判定がされる。
身体障害者手帳の申請で必要な診断に、種別と聴力程度で振り分けられ、6級・4級・3級・2級の判定が下される。
戦前だと『聾唖』と診断されると、そのまま手帳に記載されたらしいが、今では、そのような記載は見られなくなってきた。
戦前では『つんぼ』『おし』の言葉もあったが、戦前のろう者の中には、それに愛着があって差別語とは思っていないのだ。
戦後の『聾唖』という言葉も差別語と扱われて『聴覚障害』から『聴覚障碍』、『聴覚障がい』と変わってきている。
近い将来『聴覚しょうがい』『聴覚SG』と変わっていくのかと…。
それでも、わたしたちのようなマイノリティ団体が差別語と言われる『聾唖』『ろう者』を使い続けることには、言語や人権を守るために闘ってきた同志に対して敬意があってのことだ。
難聴者や中途失聴者からしてみれば、理解できないかもしれない。
それは、通常に使っている言語が『日本語』と『手話』というだけで、価値観が違うので、仕方がないのだ。
ここで想うことは…
この『聾唖』や『〇〇障害』という言葉は、差別語だからとなくしたり、ひらがなやローマ字に変えようという認識ではなく、偏見や小さな誤解が、社会の中で間違いを大きくしていると。
なんでもかんでも法律で縛ってしまうと、障害の有無に関係なく、人として、どんどん制約しているのだと。
見えないながらも、気付かないながらもどこかで自分を縛っていく。
犯罪も理由や原因があり、犯罪者の取り巻く環境などが悪く重なると、大きくも小さくもなりえるだろうと。
法やしがらみを少しでも少なくするためには『ひと』個々として、ちょっとの理解をするだけでも拡がることから、優しくなれる社会を一緒に変えてみませんか?
わたしたちができることは『ろう者』という理解だけではなく『聴こえなくても大丈夫』と…
そのような啓発を地味に続けることなんだろうなぁと…。