コミュニケーション

皆さん、『コミュニケーション』で悩んだことがありませんか???
ろう者の母語は『手話』であるが、教育課程で「国語」があって、日本語も当然と習わなければならない。
もちろん「英語」も習うが、苦手なろう者はまだ多いだろう。
しかし『コミュニケーション能力』は、相手にわかってもらう技術を成せなければ難しいと考える。

わたしたちは、聴者との会話では筆談用具の「ブギーボード」を使っている。
今までお付き合いのあった多くの方々を相手に筆談してきて思うことを…

『コミュニケーション能力』というものが、どんなに大事かということを知った。
相手に伝えたい言葉を考えながら限られたスペース内で書けるかで、大きく変わってしまうことを経験した。
このスペース内で丁寧に書けない、例えば文字の大きさを考えずに書いたり、枠内で書ききれなかった文字を空白スペースに書くなどの奇抜な書き方をしているかたもいた。
また、一方的にずっと書き続けるかたも…。
わたしたちは書き終わるのを待つのではなく、書いている文字を追いながら読むので、どのように書かれても読めなくはないが30分以上も経てば、限界は来る。

手話通訳者の「日本語対応手話」を読み取るのが苦痛であるのと同様、日本語 ⇒ 手話 ⇒ 日本語 と解釈する頭に、長時間は苦痛になるのだ。
要約して書く技術というのはなかなか難しいものではあるが、基本は同じ大きさの文字で、スペース内に収まるように伝えたい言葉を書くことができると、もしも会話が脱線してもお互いに分かり合える関係づくりができたような気がしている。

仕事ができていても「話し言葉」と「書き言葉」では少しニュアンスが違うこともある。
押さえるポイントは…
お互いにわかる言葉(受け取りやすい球サイズ)でキャッチボールすることかなぁと思う。

余談だが、手話を覚えたい方には『ナチュラル』に覚えてほしいので「日本語」の概念を捨てないと難しいと…わたしたちは常に伝えて教えている。
しかし、日本語がなかなか離れられない頭で手話を学ぶために途中で挫折して辞めていく状況が普通である。
それでも根気よく教えていけることも本当に少ない。お互いに頑張ることが長続きの「コツ」だと思う。