言語指導と文化
世の中には○○教室と名の付く外国語
を学ぶための学習教室がたくさん
見られます。
私の地域でよく見かけるのは[英会話]
教室とか[スペイン語][中国語]かな。
けっこう有名なスクールの分校も
スーパーマーケットと隣接して開校
されていたりして、目立ちます。
英語は義務教育課程から学ぶため、
わりと身についているほうだろうと
思っているんですが…実際のところ
『単語は分かっても会話はちょっと』
という人が多いのでは?
学生時代、英語担当教師からは
『外国語で書かれた新聞を読め』
『町に住んでいる外人と何でも
いいから話してこい』と夏休みに
宿題が出されるくらい…半ば
強制的な指導を受けたことがあり
ましたが…今となっては有り難い
経験だったなぁと。
また、家族の趣味に同行する際、
外国人のかたに出会う機会が
多かったので、外国語で会話する
ことに違和感がなかったのも
良い経験でした。
外国語は[何を伝えたいのか]知る
ことから学びを始めたような気が
します。
会話と習慣・文化をひとまとめに
経験した学生時代でした。
そのせいか[文法]系の学習は
いまだに苦手意識が強いです。
最近の学校教育現場を見たことが
ないので、なんとも言えませんが
私の頃は海外留学したこともない
日本人が英語の先生をやるという
ことも…ごく普通でした。
そういった場合[受験用英語]を
基礎に学んだのだろうと思います。
それだと実際に会話するとなると
相手の価値観や文化も分からず、
とても大変でしょうね。
ところで、手話の場合は基本的に
手話を母語とするろう者が指導
するのが理想だと思います。
しかし、某連盟の指導者要領では
(テキストの一部を活用した)
講師育成講座を受講しておれば
ろう者も聴者も指導者として
同伴しながら指導できるように
なっています。
育成講座は幅広く浅く学ぶため
実際の現場で具体的にどのように
進めるかは現場任せ的な感じが
否めません。
各回ごとのタイムスケジュールは
日本語を用いて行うため、
日本語を第二言語として
フル活用できていないろう者の
場合(これが結構多いですが)
現場での指導に至るまで聴者の
言いなりか、お任せしっぱなしに
なる傾向がよくあります。
手話の文法についてもなんだか
物足りない感じも多く…
歴史や文化も内容が乏しいなと
感じることがとても多い。
そのため、受講者はなんとなく
会話できそうで出来ないという
ジレンマに陥るかたが半数は
いらっしゃいます。
また、歴史や文化に関して
大事なところが抜けているので
[ろう者というものがなにか?]
よくわかっていないままの
修了生がたくさんいるため、
話しかけられたろう者のほうが
疲れてしまって次からは敬遠
されてしまうことも。
たちの悪いことに、そのような
敬遠されている事実を受講生に
伝えることと嫌がるろう講師は
結構いるので…
受講生は[気を遣っているだけ]
程度にしか思わず…卒業後には
ろう講師からもろう者からも
『あのひとと話すのはムリ』と
陰口を言われる修了生も。
そういう意味では件のTwitterで
とりあげていたホームステイと
いう手法は、面白い取り組みかも
しれません。
かつては、ろう者家庭に数日
泊まり込んだり、ろう協会の
活動のとき強制的に通訳を
させられること数ヶ月…という
猛者ほど、手話も上手で
ろう者のこともよく理解できて
いると賞賛されたものでした。
さて、ろう協会やサークルは
同じ県内でも地域色というのが
存在します。
ましてや県外だと通訳に対する
価値観が異なるようなことも。
○○専門学校・○○センター等の
有名な手話通訳専門スクールを
運営されていらっしゃる指導者の
かたへひと言。
教育実習のような形で、
卒業生が活動するであろう地域に
少なくとも数ヶ月はホームステイ
させるカリキュラムを導入しては
いかがでしょう?
田舎とまではいいませんが
地方だと喜ばれる取り組み
だと思います。